王妃マルゴ 下 [文学 フランス]
最高に面白かった。
上巻の時の感想として書いた、不倫ネタはほとんど出てこず、不倫をしているとはいえ、ナヴァール国王アンリと王妃マルゴはお互いの不倫関係を認めており、さらに、二人は友情関係にもあり、お互いの危機の時にはお互い助け合うという関係も出来上がっており、さらにお互いの不倫相手との関係が非常に純愛であり、読んでいてとても心地よいものであった。
さらに、国王母カトリーヌと、アンリの争いも、直接的ではなく間接的で、非常に巧みな心理戦、だましあい、周りの人間たちの様々な動き、とにかくすべてが緊張感に富み、面白かった。現王朝ヴァロワ家の内紛がギリシャ悲劇を思わせ、もちろんそれを匂わす単語や章題が巧みに組み込まれているのだが、とても興味深かった。
ダルタニャン物語ほど、冗長なところもなく、非常に引き締まった感じで密度も高く、『黒いチューリップ』とは違う意味で、非常に面白かった。
おそらく日本では絶版になってしまっているのだろうが、せっかくなので市場に流通させてもらいたいと思う。フランスで作られた映画版もみたくなった。
2020-02-04 07:00
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