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すみっこ★読書クラブ 事件ダイアリー2 [文学 日本 にかいどう青]


すみっこ★読書クラブ 事件ダイアリー(2) (講談社青い鳥文庫)

すみっこ★読書クラブ 事件ダイアリー(2) (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/01/16
  • メディア: 新書



にかいどう青著『すみっこ★読書クラブ②』を読み終わった。

毎回書くが、この「にかいどう青」という作者、本当に素晴らしい作家だと思う。今回は①以上に「いじめ」に焦点が当たっていて、そこまで陰湿な感じのイジメではないが、やったり、やられたい、そしてやられている人を何もせずにただ見ている人がいたり、「イジメ」が起こる時にその場に居合わせる様々な人の心に焦点をあてて描いている。

この作家の良いところは、人間は必ず「善と悪」の心を持っており、「悪」の心を持っているということを前提に、そして「悪」の心をもった自分を含めてすべてを受け入れて、前に進んでいこうというのが、物語の随所に見られるところだ。

今回の印象に残った言葉

p.130
「読書クラブでは、みんな、自分の意見を言い合うでしょ?でも、ちがう意見を持っていても相手を言い負かそうとはしない。そこがいいと思う。」

読書クラブの良い部分を言った主人公和登千秋のセリフ。これは、子どもに限らず、大人でも難しい。どんな場面でも多くの人間は自分が絶対に正しいと思ってしまう。自分の意見が一番なんだと思ってしまう。そうではなく、様々な意見に耳を傾け、より善いモノを作っていこうとする姿勢こそが意見をぶつけ合うことの意味なのだ。これは、人には必ず善と悪の側面があるというのと同じだ。どんなものにも正と負の側面がある。それを受け入れた上で、新しい何かを作り上げていくことが重要なのだ。

p.p. 180~181
「物語というものはつくり話です。
 わたしには一生起きないようなドラマチックなことばかりが書いてあります。
 なのに、ときどき、自分のことが書いてあるのを見つけて、ドキッとさせられます。
 読書クラブに入って、そのことを知りました。
 わたしたちは、いつもじょうずに生きられるわけではありません。
 世界にうまくなじめないからこそ、物語が必要なのだと知りました。」

とても、良い言葉だと思う。私も物語が大好きだ。そして小さい頃から世界にうまくなじめない。だからこそ、物語がずっと必要だったのだ、とこの本を読んで思った。

この本は2020年の1月に発売された。つまり出版されたばかり。はやく三巻が読みたい。
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