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Desperate Remedies [文学 イギリス Thomas Hardy]


Desperate Remedies (Wordsworth Classics)

Desperate Remedies (Wordsworth Classics)

  • 出版社/メーカー: Wordsworth Editions
  • 発売日: 2010/08/05
  • メディア: ペーパーバック




ジェラルド・フィンジというイギリスの作曲家がいる。
NHK FMで「きらクラ!」という、ふかわりょうと遠藤まりさんがやっている番組があり、そこで昔この作曲家の「エクローグ」という曲が取り上げられ、あまりにも素晴らしいのでこの作曲家を調べ始めた。

この作曲家、歌曲を多く書いており、Thomas Hardyの詩に曲をつけたものが多かった。そこでThomas Hardyの作品を色々読んでみようと思いたくさん購入し、ついにこの春から読み始めた。
Hardyは昔Tess of the d'Urbervillesという作品を読み、かなり面白かったのだが、他の作品のあらすじを読むと、そこまで興味惹かれるものではなかったので、ほかの作品は読まずにいた。

この作品は彼のデビュー作らしい。
本の裏表紙などにもあらすじらしきものがなく、どんな作品なのかほぼ何もわからない状態で読み始めた。読んでいる途中まで、主人公Cytherea Grayeとその恋の相手Edward Springrove、そしてそこに割り込んでくる、Manstonの三角関係を中心とした恋愛話なのかな、と思って読むすすめていた。

しかし、Cythereaに言い寄り、兄のOwenの病気につけ込み、遂に彼女と結婚したManstonに実は妻がいるということが明らかになり、その妻が泊まっていた宿屋が火事になる、という事件が起こったあたりから、物語は大きく動き出す。

非常に色々な人物が絡み合ったストーリーとなっており、その人とその人が実はそういう関係だったの!と最後はびっくりさせられる。恋愛小説とミステリー小説のどちらも楽しめる内容となっている。若干ディケンズの『大いなる遺産』を彷彿とさせる世界観を持っている壮大な物語となっている。

前に読んだ、Tess of the d'Urbervillesの主人公Tessもそうだし、このDeperate Remediesの主人公Cytheriaもそうなのだが、二人共本当に平凡で目立った特徴もないのであるが、非常に魅力的な女性で、読んでいるうちに確かに好きになってしまうよな、と思わせる。これは周りの人間が彼女たちをどのように思っているか、という描写を積み重ねることで読者に引き起こさせている感情であり、この辺が、Hardyの人物を構築する際のうまさなんだろうなと思う。

日本では全く注目されないが、もっと日本で売り出されても良い気がする。
まだまだたくさん彼の作品を買ったので、これから楽しみに読みすすめたい。
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