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南総里見八犬伝 四 八百比丘尼 [文学 日本 Classic]


南総里見八犬伝〈4〉八百比丘尼

南総里見八犬伝〈4〉八百比丘尼

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2002/04/01
  • メディア: 単行本



遂に『南総里見八犬伝』を読み終わった。
最後に8人全員が安房で顔を合わせ、仇敵達を退ける。しかも戦いに勝った後、相手を殺すことなく生かして赦す。このように主人公たちが、強いだけではなく、高潔であることも、日本人には人気の秘訣なのかもしれない。

あとがきを読むと、この長い4巻本でも、原作の6分の一、から7分の一、さらに話も若干変えられているようである。それを知ると岩波文庫で全巻読みたくはなるが、現在品切れ重版未定中。さらにあとがきには、明治以降、この小説は坪内逍遥はじめ、様々な人に、勧善懲悪でつまらない、後半部分が冗長だ、といった批判を受け、その人気が上がったり下がったりしたらしい。

確かに主人公たちの心の悪い部分を描いていないといえばそうなのかもしれないが、そもそもが使命を持って生まれてきた人間。生まれ方からして普通の人間と違うのであるからしょうがない気がする。見方の女性たちも描かれ方が平凡とあるのだが、それも、悪役との対比ということで、良い気がする。普通の生活の中の人間を描いた小説ではなく、幽霊や怨霊までも登場するファンタジー小説なのだからこんなものなのだと思うのだ。

やはり何年も読み継がれているだけあり、一級のファンタジー小説だと思った。

機会があれば、原典をすべて読んでみたい。
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