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ピアノ三重奏曲第6番 変ホ長調 [ベートーヴェン 室内楽曲 ピアノ三重奏]

評価
★★★★★★☆☆☆☆

「幽霊」と「大公」というタイトル付きの曲に挟まれた第6番。
第一楽章はいきなり一分半ほどの穏やかな序章で入る。そのあとも、アレグロということでスピード感はアップするが、穏やかな雰囲気は変わらないまま曲は進む。貴族の夕食会をイメージさせる高貴なメロディがひたすら続く。
第二楽章はつかみどころのない感じの若干面白いリズムの曲。ピアノ、ヴァイオリン、チェロのそれぞれの個性を活かした感じ、途中若干短調になり緊張感を持つ部分もあるが、基本的にはリラックスした雰囲気で曲は進む。
第三楽章は、傑作だ。ヴァイオリンの伸びやかなメロディをピアノの美しい伴奏が支える。その同じメロディをピアノが若干変形させて奏でるのだが、これに絡むヴァイオリンが非常に美しい。展開部で音楽の流れが止まる部分があるのだが、この部分のピアノの高音がとてもやさしく良い。初めのメロディをチェロが優しく奏で、それをピアノが再び受ける。このあたりのやり取りもとても素晴らしい。
第四楽章は堂々としたフィナーレ。協奏曲の第一楽章を思わせるような派手なソロを三者がバトルのように奏でる。

ピアノ、ヴァイオリン、チェロがそれぞれ個性を出せる素晴らしい曲である。だが、一、二楽章がもう少し派手な感じであればもっと世間に知られる名曲になったのではないだろうか。
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