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ミサ曲 ハ長調 Op.86 [ベートーヴェン 合唱曲]

評価
★★★★★★☆☆☆☆

「ミサ曲」と聴くと、何となく「死者のためのレクイエム」とイコールのように考えてしまう節があり、暗い曲というイメージがある。しかしこのベートーヴェンの「ミサ曲」はハ長調で書かれており、明るさと神を讃える喜びに満ちている。元々はハイドンに依頼されていた、エステルハージ公の妃の聖名祝日を祝うためのものだったらしく、その辺もこの明るさにつながっているのだろう。

第一曲 キリエ
 若干もやのかかったような感じで始まる。合唱とソプラノの宗教的な雰囲気に満ちたやり取りが素晴らしい。
第二曲 グローリア
 その題名通り、神を讃える解放感に満ちた合唱で始まる。そのあとのテノールと合唱のやり取りも非常に美しい。その後、アルトとテノールが若干暗い感じのメロディを歌い、それにこたえる天使のような合唱が絡んでくる。暗いのだが、何故か安らぎに満ちた感じが漂っている。途中で入ってくる管楽器の音が良い感じ。再び勝利感に満ちた合唱となる。
第三曲 クレド
 常にスピード感に満ちた前向きで明るい曲が続く。対位法的な歌手たちとオケのやり取りも面白い。
第四曲 サンクトゥス
 非常に穏やかな、讃美歌的な美しいアダージョで始まる。まさに天上の音楽。その後曲は活気を帯び始め、合唱が高らかに歌う。間にちょこちょこ入ってくる、管楽器が美しい。
第五曲 アニュス・デイ
 オーケストラがもやっと入ってきて、若干悲劇的な感じでスタートする。高貴さと美しさに満ちた最後の曲となる。ハ長調で今までの流れから高らかに神を賛美して終わるのかと思いきや、結構しっとりと終る。

確かに、「ミサ・ソレムニス」に比べると名曲度は落ちるかもしれないが、明るさに満ちた美しいミサ曲といえる。
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