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As I Lay Dying [文学 アメリカ]


As I Lay Dying (Vintage International) (English Edition)

As I Lay Dying (Vintage International) (English Edition)

  • 作者: Faulkner, William
  • 出版社/メーカー: Vintage
  • 発売日: 2011/05/18
  • メディア: Kindle版



フォークナーのAs I Lay Dyingを読み終わった。
この話も、結構複雑な構成らしく、せっかく読んだのにほとんどわからない、という状態が嫌だったのでかなり詳しいあらすじを洋書と共に読みすすめた。

母親のAddieは「自分が死んだら遺体を自分の父親のお墓に埋めて欲しい」と頼んでいた。そして彼女が死んだことにより、遠く離れた彼女の実家に、家族全員で彼女の遺体を埋めに行くという話。
本当にあらすじだけを読むとなんでもないのだが、この一本線に進んでいく物語を、家族の様々な人物の視点で描き出していく。現在ではよくある手法であり、現代の日本の小説なんかを読むとストーリーもわかりやすくとっても楽しめるのだが、この本はなかなか全体像が見えてこずとても読みづらい。あらすじを読まなければ、それぞれの登場人物がどういう関係性になるのかもなかなか掴めない。

とはいえ、それぞれ個性的な人物たちばかりで、彼らの面白い視点で起こった出来事を語っているので、読んでいるうちに、それぞれの人物たちがむちゃくちゃな性格であるにもかかわらず、愛すべき存在になっていくのが不思議だ。

良く出来たロード・ムービーのような感じになっていて、ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』に近い雰囲気を感じた。妻が自分の遺体を父親の元へ戻してくれるよう頼むようになる、精神的過程を描いたAddieの語りが非常にシリアスであり、とても興味深い。

結構面白かった。もう一度読んでも見ても良いかな、と思わせる作品であった。


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