蹴りたい背中 [文学 日本 綿矢りさ]
綿矢りさ、芥川賞受賞作品『蹴りたい背中』を読み終わった。
改めて過去の芥川賞受賞作を見てみたら、今までに5作品しか読んでいないことがわかった。
1949年 井上 靖 『闘牛』
1958年 大江 健三郎 『飼育』
1960年 北 杜夫 『夜と霧の隅で』
1990年 小川 洋子 『妊娠カレンダー』
1996年 辻 仁成 『海峡の光』
この綿矢りさの作品は、2003年、私が大学卒業後の芥川賞受賞作だと知って驚きだった。
芥川賞受賞作と聞くと、何となく読みづらいというイメージがあったが、この作品は全くそんなことはなく、すらすらと読めた。綿矢りさ特有の、社会や人間関係を見る視点がとても新鮮で、すこし覚めた視線が清々しくもある。
結局主人公は、「にな川」に恋をしているのか、そして誰かの背中を「蹴りたい」と考え、それをそのまま実行してしまうあたりがとても新鮮だった。
このあとに書かれた彼女の代表作を先に数冊読んだあとだったので、感動は薄かったが、それなりに色々な意味で面白い作品ではあった。
2021-08-06 16:41
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