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リズム/ゴールド・フィッシュ [文学 日本 森絵都]


リズム/ゴールド・フィッシュ (角川文庫)

リズム/ゴールド・フィッシュ (角川文庫)

  • 作者: 森 絵都
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/02/23
  • メディア: 文庫



私の周りには森絵都のファンだという人が結構いる。
ずっと気にはなっていたが、そもそも現代文学、特に日本の文学をあまり読まない私はここまで読まずに来た。

この夏かなり集中的に現代日本女性作家の本を読んだので、せっかくなので読んでみた。
色々と調べたがとりあえずデビュー作である『リズム』が面白そうだと思い読んでみた。しかもこの角川文庫バージョンは『リズム』の後編である『ゴールド・フィッシュ』までついている。ということでちょっとお得な気分で読み始めた。

ページの中にかなり白い部分が多く、とても読みやすかった。あまり勉強が好きではなく毎日何となく生きている小学校一年生のさゆき。彼女の幼馴染でいつもおどおどしており、いじめられやすいテツ、さゆきのいとこで、高校には行かず、ロックバンドで成功することを夢見ている真ちゃん。この三人を軸に物語は展開されていく。

世間的に見て当たり前だとか、当然歩むべき道だ、ということをはみ出してしまった子供たちの、純粋な内面を丁寧に追いかけ、彼らの精神的成長を描いた作品。

夢を追い続けることの大切さ、自分を信じることの大切さ、などがメッセージとして伝えられており、現状に生きづらさを感じている子供たち、若者に受け入れられやすいのだとは思う。

これが、講談社青い鳥文庫のような児童用と言われるラインの本で読んだらまた違った印象になったのかもしれないが、やはり普通の作品としては若干の物足りなさを感じた。重松清ほどではないが、何となく押し付けがましさを感じてしまった。

とはいえそれなりに面白かったし悪くはないと思った。
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