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チョコレート・コスモス [文学 日本 恩田陸]


チョコレートコスモス (角川文庫)

チョコレートコスモス (角川文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/06/23
  • メディア: 文庫



インターネットで恩田陸の作品のあらすじを色々見ていたところ、『蜜蜂と遠雷』の演劇バージョンのような感じの紹介があり、「とっても面白い」ということだったので読んでみた。

芸能界のサラブレッド東響子と、小さい頃から空手を習い自分なりに演劇の稽古を行ってきた天才肌佐々木飛鳥。この二人が舞台で激突する。舞台に至るまでの人間模様、舞台上での人間模様など、結構生々しく描かれおり確かにとっても面白かった。

とっても印象的な言葉を最後に紹介したい。

p.541
「役者は、人間なんだよ。役者は、人間をやるんだよ。人間って、今言ったようなもの(自我、エゴ、自尊心、虚栄心、羞恥心)でできているようなもんでしょ。エゴとかプライドとかって、最も人間臭い、人間のいやらしさと崇高さと矛盾を含んだ部分だよ。そういったものがない役者が人間をやったって、ちっとも面白くないでしょう。」

『蜜蜂と遠雷』でもそうだったが、恩田陸はあくまでも芸術の中にある人間を徹底的に描こうとしている。

面白い小説だった。
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