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狸・狐・蛇などの話 [文学 日本 松谷みよ子]


日本の伝説(4)きつね・たぬき・ねこ・へび などの話

日本の伝説(4)きつね・たぬき・ねこ・へび などの話

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1973/12/07
  • メディア: 単行本




松谷みよ子の本 (第9巻) 伝説・神話

松谷みよ子の本 (第9巻) 伝説・神話

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/10/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



『松谷みよ子の本』の第9巻「伝説・神話」の中にある、動物たちの話を読み終わった。

タヌキやキツネが人間に姿を変え、人間を騙す、といったものから、「鶴の恩返し」のような助けてもらった人間に対し恩返しをする動物の話まで様々なものがある。どれもこれも自然と人間の生活が密接に関わっており、昔の子どもたちはこういった伝説を口承で聞くことによって自然に対する畏怖・畏敬の念を払うようになり、大人になってからも自然と共存してきたのであろうと思う。

一昔前であれば、こうした昔話のようなものも本として売り出され読まれていたんだろうし、「日本昔ばなし」のようなテレビ番組で子どもが親しんだりしていたのであろう。しかし現代、刺激のあるわかりやすい物語が好まれ、親や祖父母からこうした類の物語を聞かされることもなく、ひたすらデジタル機器に向かい合う子供たちが、自然に対して畏敬の念を持つのも難しい世の中なのであろう。

戦争に反対し、公害などにも意識を向け、そうしたことをわかりやすく子どもたちに伝えるために物語を書いていた松谷みよ子の像と、日本民話の会で活動する松谷みよ子の像が、これを読むまであまり一致してこなかったのだが、根本にあるのは「自然と人間の調和」であり「自然と人間への深い愛」なのであろう。

物語一つ一つはそんなに素晴らしく面白いというものでもないのだが、何となく考えさせられる作品が多々あった。『鯨小学校』に出てきたような話(「木やりをうたう狐」)もあり面白かった。
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