ピアノ五重奏曲 [シューマン 室内楽曲]
第一楽章
★★★★★★★★☆☆
結構唐突な感じで、弦が前奏を奏で、ピアノがその後ドラマティックに入ってきて、そのまま激情的な第一主題を奏でる。その後、伸びやかで美しい第二主題が弦とピアノで順々に演奏される。この二つを基本に曲は華麗に展開されていく。
第二楽章
★★★★★★★★☆☆
悩み苦しむ青年の心の中を吐露したような悲し気で不安なメロディが弦によって奏でられ、ピアノがドラマティックにそれを演出する。流れるような少し不安な気持ちから解放されたような美しいメロディも悪くない。最後の方でかなりドラマティックに盛り上がるところもあり長い楽章ながら楽しんで聴ける。
第三楽章
★★★★★★★★☆☆
宙へと駆けあがっていくような前向きな明るい主題を持ったスケルツォ楽章。この主題に挟まれた二つの部分があるのだが、第一の部分はエキゾチックで美しいメロディ、第二の部分もエキゾチックだが、舞踏的要素の強いかなりスピード感のある楽しい雰囲気。最後は初めの部分が回帰されて終わる。これはABACAのロンド形式ではないのだろうか?
第四楽章
★★★★★★★★☆☆
最終楽章にふさわしく、劇的で華やかな楽章。舞踏的な要素がこの楽章も強く、聴いていると心も体も踊るような感じになる。協奏曲の最終楽章や、ベートーヴェンの交響曲を彷彿とさせる雰囲気もあり、最後の対位法を用いたフーガ的な部分も格好良い。
すべてのメロディが美しく楽しい、大傑作であると思う。
2022-02-11 06:44
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