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ショーロス [ヴィラ・ロボス]


Heitor Villa-Lobos : The Complete Choros & Bachianas Brasileiras (7CD BOX)

Heitor Villa-Lobos : The Complete Choros & Bachianas Brasileiras (7CD BOX)

  • 出版社/メーカー: BIS
  • 発売日: 2009/07/13
  • メディア: CD



「ショーロ」とはリオ・デ・ジャネイロで流行った民衆音楽の一つで、フルート、ギター、太鼓などを路上で弾き歌いするセレナーデといったものらしい。初めはヨーロッパの舞踊音楽と黒人たちのリズムなどが入り交じったものから、やがてブラジル的な哀愁を感じる独自の民衆音楽に変化したらしい。「泣く=ショーロ」というポルトガル語がそのままこの音楽の呼び名となったらしい。

序奏:ギターと管弦楽
★★★★★☆☆☆☆☆
モヤっとした感じの哀愁漂う雰囲気で始まる。ヴィラ・ロボスが作曲した「ショーロス」のそれぞれのモチーフが顔を出すらしく、オペラの前奏曲のようなものか。悪くはないが若干まとまりにかけている感じ。

01番:ギター
★★★★★★☆☆☆☆
「ズチャッチャ、ズチャッチャ」というリズムが印象的なノリのよいギター・ソロ曲。民族臭のする哀愁漂うメロディが綺麗。まさに夜の酒場で演奏されるセレナード的な雰囲気。ロンド形式らしい。

02番:フルート&クラリネット
★★★★☆☆☆☆
即興演奏的にそれぞれの楽器がお互いにメロディを奏でる。道端で見ていたらそれなりに楽しめるのかもしれないが家でじっくり聴くにはメロディもそんなに素敵でもなくもう一歩。

03番:合唱&吹奏楽
★★★★☆☆☆☆☆☆
宗教的とも民謡的とも言える不思議なメロディのアカペラ・コーラスで始まる。吹奏楽も途中から若干入っては来るのだが、基本はコーラスのメロディをなぞっており、そんなに主張する感じでもない。独特の雰囲気ではあるが退屈。

04番:ホルン3本とトロンボーン
★★★★☆☆☆☆☆☆
不穏な雰囲気で始まる。混沌とした印象であまり心に残らない。

05番:ピアノ “ブラジルの魂”
★★★★★★☆☆☆☆
重く深い悲しみに満ちた雰囲気で始まる。その後流れるような曲調に変化していき、段々と明るくなっていく。Jazzっぽいリズミカルな激しい中間部はとても格好良い。最後は沈鬱な悲しい雰囲気に戻り終わる。

06番:管弦楽
★★★★★★★☆☆☆
ジャングルの朝を表したような雰囲気で始まり、その後ジャングルに突然人間が侵攻してきたような激しい音楽となる。その後争いが終わり平和になったかような穏やかな音楽となり、英雄的な雰囲気となる。その後も平和な音楽、大自然を表したかのような壮大な音楽と雰囲気をコロコロ変えながら曲は進む。基本的に綺麗なメロディばかりなので25分前後という長大な曲だが、結構楽しめる。交響詩のような、非常に描写的な音楽となっている。

07番:色々な楽器
★★★★★★☆☆☆☆
この曲もジャングルの朝を表したような混沌とした雰囲気でははじまる。途中面白いリズムを持った舞曲風の部分が登場するが、そこが結構よい。

08番:2台ピアノと管弦楽
★★★★☆☆☆☆☆☆
ムチのような音が鳴り響き不穏な雰囲気で始まる。2台のピアノが入ってくると混沌とした雰囲気となる。現代音楽風でもう一歩。


09番:管弦楽
★★★★★☆☆☆☆☆
劇的に始まった後、すぐに静かになり森の奥から静かに何かが押し寄せてくるような雰囲気になり、続いてさらに静かにしっとりとした音楽となる。その後も様々な雰囲気の音楽が流れ、最後に美しいメロディが登場する。25分近い大作だが、最後の5分以外はいらない気がする。最後の5分だけならそれなりの名曲。

10番:混声合唱と管弦楽
★★★★★★★☆☆☆
西洋人と原住民の戦いを描いたような壮大な作品。
初めにジャングルに攻めてきた西洋人を描いているかのような攻撃的で激しい音楽が展開される。ここはショスタコーヴィチの音楽っぽい。次に、ジャングルに入り込み大自然の中で苦戦する西洋人を描いているような静かで幻想的な美しい音楽となる。そして最後は合唱によって、西洋人と原住民の戦いを描いたかのような壮大な音楽となる。ドラマティックで聴きやすい。

11番:ピアノと管弦楽
◎第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
激しく緊張感のある始まり。その後もショスタコーヴィチ的かつラフマニノフ的な、攻撃的かつロマンティックな雰囲気で10分ほど続く。
その後ジャングルの鳥たちの声を模したような若干穏やかな部分を挟む。
一段落すると、再び激しさを増して行き混沌とした雰囲気となっていく。
◎第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
哀愁たっぷりの美しく壮大なメロディがオーケストラの分厚い音の上で奏でられる。
霧が晴れたように静かに雄大な雰囲気となる。ピアノは相変わらずロマンティック。オーケストラとピアノの対話のようなやりとりが非常に美しい。
その後ドラマティックに曲は展開していき激しい内面の葛藤を描いたような雰囲気となる。
一段落すると、「ドーソーファ~ミファミーレー」という今までの主題を用いながらジャングルの中を表したような静かな雰囲気となる。
再び段々と盛り上がって行き、最後はピアノの静かな和音の連続の上で、ヴァイオリンとフルート?が優美なメロディを奏でて終わる。
◎第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
朝を告げるかのようなファンファーレのような音で始まる。爽やかに曲が展開されるのかと思いきや若干悲劇的な混沌とした感じになる。
その後まるで映画音楽のようなロマンティックかつドラマティックな美しいメロディが奏でられ、激しく情熱的な音楽が展開される。
その後ジャングルの中を描いたような雰囲気となり混沌としてくる。
段々と優美で明るい音楽となり、最後は圧倒的な雰囲気で盛り上がって終わる。

1時間近い超大作もピアノ協奏曲。

12番:管弦楽
★★★★★★☆☆☆☆
まるで映画音楽のような劇的な始まり。その後静かになり、ジャングルの様子を細やかに描写する。雄叫びのような音が鳴り響いた後、ロマンティックこの上ないメロディが流れ、その後独特のリズムによる原始的な雰囲気になり、最後は壮大な雰囲気となり、日が差してきたかのように段々と明るくなっていき、最後はピアノも登場し華々しく終わる。色々な楽器の音色の特徴をよく生かした作りとなっている。40分近い大作で、「ジャングル交響詩」といった感じの曲。

Bis :ヴァイオリンとチェロ
★★★★★☆☆☆☆☆
現代的で野性的な二重奏曲。二楽章構成
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