Op.17 ピアノ三重奏曲 [クララ・シューマン]
第一楽章
★★★★★★★★☆☆
ピアノの伴奏でヴァイオリンが悲しげな美しい旋律を奏でる。それを受けるようにチェロの伴奏で同じメロディをピアノが感情たっぷりに奏でる。その後力強いファンファーレ的な部分を経て、流れるような美しく優しい第二主題?が奏でられる。対話的な優雅な部分を経て、再びはじめの第一主題が勇壮な雰囲気で奏でられ、第二主題と対話的な部分も繰り返される。展開部は劇的で三者が熱く悲しげなメロディを奏で合う。第一主題、第二主題が繰り返され、最後ははじめの主題を用いて劇的に終わる。
第二楽章
★★★★★★★★☆☆
私的なサロンを描いたような親密で楽しげな楽章。少し舞踏的様子を持った最初と最後の部分にはさまれた、対位法的な少しシリアスな会話をしているかのような部分も非常に魅力的。
第三楽章
★★★★★★★★☆☆
暖かさに満ちた主題をピアノが奏で、その後ヴァイオリンが同じメロディを奏でる。その後も美しく若干憂いを帯びたメロディが次から次へと流れる。安らぎと愛に満ちた美しい緩徐楽章。
第四楽章
★★★★★★★★☆☆
すこし悲しげなメロディをヴァイオリンが奏でて始まる。感情が高まっていくヴァイオリンを受けるかのようにピアノがその感情に初めは同調してあげるが、励ますかのように段々と明るさを帯びてくる。ピアノの励ましに勇気づけられたかのようにヴァイオリンも少しずつ明るさを帯び始める。その後第二楽章のシリアスな会話を思い出したかのような壮大なフーガが形成される。最後はスピードを増して行き勇壮な雰囲気で終わる。
古今東西のピアノ三重奏曲の名曲に勝るとも劣らないクララの、ロマン派の大傑作。
2022-04-19 04:44
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