青い花 [文学 日本 安房直子 あ行]
「かさのしゅうぜん」を専門にしているかさ屋さんが、ある日少しお金が手に入ったので、色々なものを買おうとデパートに向かう。
その途中、雨の中傘もささずに立っている女の子に出会う。可哀想に思ったかさ屋さんは、彼女に「雨がさをつくってあげよう」と言って、一緒に高級な青い生地を選び、早速彼女に作ってあげる。
次の日彼女にその雨がさをプレゼントして別れて家に帰ると、店の前に大行列。みんなが青い雨がさを欲しがる。結局青い雨がさは大人気となり、かさ屋は修繕をしなくなる。何度か修繕を頼みに来た人もいるが顔も見ずにそのへんにほっぽらかしてしまう。店は大繁盛し、お金持ちになる。
しかし、ある日新聞が、「レモン色のかさ」を紹介すると一気に店には人が来なくなる。そんなある日、小さな女の子が店にやってくる。彼女は作ってもらった青い傘が壊れてしまい、修繕を頼み何度も来ていたのだが直してもらえていなかった。
かさ屋や丁寧に直し、彼女に渡しに行く。しかし待ち合わせ場所に彼女はおらず青い花だけが咲いていた。
人間の欲望と、資本主義社会の悲劇、そして心を込めてものを大切に作り、それを大切に使い続けることのすばらしさを描いた名作。
かなり心に響く作品だ。
2022-07-17 10:40
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