秋の音 [文学 日本 安房直子 あ行]
耳が悪くなってしまったおばあさん。電話がかかってくると、「電話はあまりかけないでください。そのかわりに手紙をください。お返事は、かならずさしあげますから。」と伝える。
耳がわるくなってから、おばあさんはいろいろなものを、よく見るようになる。コスモスの花、空一面の夕焼雲。
そんなある日、おばあさんに小さな小さな荷物が届く。送り主を見ると「山の風より」とあり、開けると3つのくるみが。おばあさんの故郷は山で、そこではくるみがたくさん採れた。それでおばあさんは昔を思い出す。大事に袋にしまって眠っていたところ、「あけて、あけて」という声が。
くるみの声だと気がついたおばあさんはくるみのもとへ。そしてくるみを一つずつ割ってみることに。
1.中からハーモニカ
2.中からハープ
3.中からタンバリン
それぞれの音を出すとそれぞれ昔の思い出を呼び覚ましてくれる。おばあさんはとっても幸せな気分になり楽器たちを大事にしまう。
おばあさんを主人公としているが、これは自然に意識を向けなくなった現代人への警告なのではないかと思う。普段使わない五感を使うことで見えてくる世界が変わり、自然に意識を向けることで心が豊かになる。
とても暖かく優しい気持ちになれる名作。
2022-07-22 16:43
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