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あまつぶさんとやさしい女の子 [文学 日本 安房直子 あ行]


風と木の歌―童話集 (偕成社文庫)

風と木の歌―童話集 (偕成社文庫)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2006/07/01
  • メディア: 単行本



林の中に、銀色の髪をした親子の雨の精が住んでいて、「あまつぶかあさん」と「あまつぶさん」と言った。

あまつぶかあさんは、村の百姓たちと親しくしており、日照りが続いたときは雨を少し降らせて、お礼として色々なものをもらっていた。

ある日「おさとう」をもらって「あまつぶさん」に食べさせたところ、あまりにも美味しくておさとうばかりを欲しがり、他の物を食べなくなってしまう。

あまりにもやせ衰えてしまった「あまつぶさん」を心配して、「あまつぶかあさん」はある百姓の家に行く。そこのおかみさんに「おさとう」を少し分けて欲しいとお願いしたところ、ひと夏サトウキビ畑で働(雨を降らす)いたら、おさとうをわけてもらえることとなる。

日照り続きでダメになりそうなサトウキビ畑に一生懸命雨を降らせた「あまつぶかあさん」は疲れきって虹となって消えてしまう。

いつまで待っても帰ってこないかあさんを心配した「あまつぶさん」は百姓の家に行くと、かあさんは死んでしまったことを知る。恨みを抱いた「あまつぶさん」は大人になって「家も畑もみーんな流してやる」と誓う。

数年後、「あまつぶかあさん」を騙したおかみさんは死にそうになる。死ぬ直前孫娘のちいさい女の子に、「あまつぶ」さんに「おさとう」をあげるよう言い残す。その後今まで経験したことのない大雨となり、本当に家も畑も流されそうになる。おばあさんの話を思い出した女の子が、さとうの壺を持って外に飛び出すと雨は止むが女の子は帰ってこない。

そんなある日、道に迷った人が、その女の子に会ったという。その女の子は男の子と一緒にいて、甘い水をくれたということであった。


人間の意地悪な心を描いた作品で、悲劇的な作品なのかと思っていたが、確かに多くの人は死んでいくのだが、最後は心暖まる話だった。ほっこりした気分になった。
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