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原稿零枚日記 長編⑬ [文学 日本 小川洋子 長編]


原稿零枚日記 (集英社文庫)

原稿零枚日記 (集英社文庫)

  • 作者: 小川洋子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/05/31
  • メディア: Kindle版



私は日記形式の文学が苦手だ。名作と言われるゲーテの『若きウェルテルの悩み』も3~4度読んでも全く楽しめないし、梨木香歩の『家守奇譚』もかなりきつかった。

そしてこの作品も題名通り日記形式で、初めはかなりきつく、この調子で250ページ以上読まなくてはいけないのか、と結構げんなりしていた。

しかし、子どももいないのに、近くの小学校の運動会に紛れ込んだり、役場の生活改善課というところからやってくるRさんへの淡い恋心を含んだやりとりであったり、「あらすじ係」としての仕事の描写であったりという少し長めのエピソードが入ってくると段々と面白くなってきた。

よく読むと、母親の病気、赤ちゃんと母乳、アウシュビッツ、人と交流することに対する苦手意識など、小川洋子ワールドが随所にみられる作品ではあった。

「読み返したい」と思うような作品ではないが、それなりに楽しめはした。
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