海からの電話 [文学 日本 安房直子 あ行]
ある音楽学校の学生が、自分のギターを海辺の砂の上において、少しウトウトしてしまう。起きてみると弦がすべて切れている。「だれだ!こんなことをしたのは」と叫ぶと、「ごめんなさい」と名乗り出たのはカニ達。自分で音を鳴らしてみたかったが結果的に弦をすべて切ってしまったという。
カニたちは、ギターを預かって弦を張り替えたいと願い出る。終わったらカニのやり方で電話するという。そしてお詫びの印だかわからないが、3時のお茶を飲んでいってくださいと、お茶とクッキーが出され、食べてみるととても美味しい。
一週間ほどして、カニから荷物が届き中には貝殻が入っている。耳に当ててみるとギターの音が。しかし音がイマイチなので、そう告げると一週間後また電話するという。
一週間後、再び電話が来て、今度は歌を歌っている。ギターの音も歌のハーモニーもイマイチで、それを告げると、カニたちも一生懸命努力しているんだ、と訴えてくる。そこで学生はしばらくギターを貸してくれるということになる。
自然と人間の交流を描いた、これもけっこう印象的で素敵な話。
2022-08-19 04:23
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