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オリオン写真館 [文学 日本 安房直子 あ行]


見知らぬ町ふしぎな村 (安房直子コレクション)

見知らぬ町ふしぎな村 (安房直子コレクション)

  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2004/04/01
  • メディア: 単行本



この『安房直子コレクション2 見知らぬ町ふしぎな村』でしか読めない作品。

オリオン星座がさえざえとまたたく冬の晩、高い高い山で、生まれた猿のオリオン。
山での暮らしにあきあきし、人間の村へやってきて、ある写真館で見習いとして働くことに。
「そのうち、りっぱな写真師にしたててやるから・・・・・・」という主人の言葉を信じて3年間働くが、一度も写真機に触らせてもらえない。

おかしいと思ったオリオンは独立を決意し、主人から写真機を一台もらい、村へ繰り出す。
ちょうど小学校の入学式がある日で、たくさんの人から依頼を受け写真を撮る。夜、現像しようと写真機を開けてみると、なんと中にフィルムが入っていない・・・。

こまったオリオンはとなりまちへ逃げることを決意し、そこで新しいオリオン写真館を開く。
それなりに繁盛していたある日、夜遅くに女の子が写真を撮ってくださいとやってくる。
撮ってあげて現像すると星しか写っていない。しかも届け先もわからない。

結局オリオンは、星をさがし高い高い山を登っていき星を撮る写真家になる。

最後は、写真を撮ってものの現像してあげられなくて騙すような形になってしまった人々に、星の写真を送る。

自分の生まれ故郷に戻り、自分の過去を精算する、少し痛々しくも美しく優しい話。
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