烏の北斗七星 [文学 日本 宮沢賢治 か行]
風の又三郎-宮沢賢治童話集2-(新装版) (講談社青い鳥文庫)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/31
- メディア: 新書
烏の義勇艦隊が軍事演習をしている。山がらすとの戦争に備えているのだ。
演習が終わり、からすの大尉は、いいなづけのからすと話をする。
青い鳥文庫版 p.158
「しかしもちろん戦争のことだから、どういうはりあいでどんなことがあるかもわからない。そのときはおまえはね、おれとのやくそくはすっかり消えたんだから、ほかへ嫁ってくれ。」
そして大尉は星へお祈りをする。
やまがらすとの戦。
大尉は生きて帰る。そして次のように言う。
p.166
「(ああ、マジエル様、どうかにくむことのできない敵をころさないでいいように早くこの世界がなりますように、そのためならば、わたくしのからだなどは、何べん引きさかれてもかまいません。」
ストーリー自体はたいして面白くないのだが、自己犠牲の精神、世界平和を望む宮沢賢治の思想が見える美しい作品。
2023-02-19 06:48
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