雁の童子 [文学 日本 宮沢賢治 か行]
銀河鉄道の夜-宮沢賢治童話集3-(新装版) (講談社青い鳥文庫)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/01/16
- メディア: 新書
流沙(中国北西部のゴビ砂漠付近?)で、語り手が質素な食事をしていると、巡礼のおじいさんがやってきてとなりで食事をはじめる。お互いの食事が終わる頃、近くにあった「お堂」が気になり、「あのお堂はどなたをおまつりしたのですか。」とおじいさんに聞く。するとおじいさんがそのお堂に奉られている「童子」の話をはじめる。
沙車(かつて中国にあった都市国家らしい)にある男がいて妻とふたりで静かに暮らしていた。彼は、鉄砲を持った従兄弟と野原を歩いている途中、従兄弟に「殺生をいいかげんやめたらどうだ」と諭すが、従兄弟は聞き入れず、飛んできた雁を鉄砲で撃とうとする。7匹中6匹に命中し、最後の一匹だけ助かる。命中した6匹は人間の姿になり、先頭にいたおじいさんが、「どうかわたくしの孫をおつれくださいませ」と頼んで死んでいく。雁から人間の姿になった童子は、彼に引き取られ大切に育てられる。
彼は「雁の童子」と名付けられ、友達にいじめられたりしながらも、生き物に対して慈悲の心を持った優しい子に育つ。教育も受けすくすく育っていたある日、沙車の町外れの大寺あとが掘り出され、そこの壁に三人の天童子が描かれその一人は、「雁の童子」そっくりだった。
彼と童子がその側を歩いていると、急に童子は悲しげになり、「お父さん、わたくしはどこへも行きたくありません」と突然言い出す。何を言っているかわからない彼は戸惑う。すると「おじいさんがおむかえをよこしたのです。」といい、彼はかつて王の息子だったが、敵に攻撃を受けて息子たちは出家することになった。だが、自分には恋人がいて結局出家せずにいた、と語る。
ここで、おじいさんの話は終わる。仏教の説話的な話なのだろうがイマイチよくわからない話。
2023-03-26 06:33
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