空色のゆりいす [文学 日本 安房直子 さ行]
いすつくりとそのおかみさんに女の子が生まれる。空がとても青い日だった。しかしその子はうまれつき目が見えなかった。自分の子供には色が見えないんだ、と悲しんでいたところ、絵の具を使って絵を描いている小さな男のこと出会う。彼は絵の具を調合して空の色を作って、空の絵を描いていた。
自分の作ったゆりいすを空色にしようと、彼が調合した空色の絵の具をくれるよう頼む。彼は次の日その絵の具を持ってきてくれる。いすつくりはその絵の具で娘のために作ったゆりいすを空色に塗り、彼女はそこに座って空色を知ることになる。
娘が5歳になった頃、あの男の子がやってくる。いすつくりは、今度は女の子に花の色を教えたい、と男の子に赤い色を頼む。シチューを食べながらいろいろ話すうちに、この子が風の子だとわかる。この風の子は、ばら園に忍び込み、バラの色で作った赤を女の子に渡す。女の子は、「来年は海の色がほしい」とお願いする。
風の子は海に頼んで、海の色を作ろうとするが、うまくいかなかった。しかし海から歌を習い、女の子に歌って教えてあげる。こうして女の子は海を知る。
女の子が15歳になったとき、おかみさんにならってシチューを作れるようになった。
ある秋の日、背の高い若者が、いすつくりの弟子になりたいとやってくる。若者は仕事場で海の歌を歌う。その歌が昔少年が自分に教えてくれた歌だと気付いた女の子は「やっぱりあなたなのね」と喜び、二人は結ばれる。
幻想的で、温かい話。
2023-06-11 13:37
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