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島はぼくらと [文学 日本 辻村深月]


島はぼくらと (講談社文庫)

島はぼくらと (講談社文庫)

  • 作者: 辻村深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/12
  • メディア: Kindle版



ネットなどで、オススメ辻村深月作品を調べていると、『スロウハイツの神様』と共に、必ず上位に来る作品。

瀬戸内海に浮かぶ冴島という島の、同級生の高校生四人組の青春を描いた作品。有川浩の『県庁おもてなし課』に似たような、地域蘇生の物語でもある。しかし有川浩作品が、大人の視点から見たものなのに対し、こちらは完全に子どもたちの視点から描いたものであり、しかもこういう作品にありがちな、「頑固で封建的で伝統を重んじる大人」vs「自由を求めて外へ飛び出したい子ども」という対立構造ではなく、自分たちの島、というものをとても大事にして誇りに思っている子どもたちの内面が丁寧に描かれていてとてもよかった。全四章となっており、一応子どもたち一人一人の視点から描かれているのだが、一人称的なかたりと三人称的なかたりが混じったような感じになっているので、基本的には三人称的な語りに馴染むような感じで読む進められる。

初めは結構ゆったりとした平和な雰囲気で進むのだが、段々と色々な人の状況が明らかになっていき、子どもたちの抱える問題なども徐々に見えてきて、最後はすばらしく感動的なフィナーレとなる。後半数回涙が滲んで来ている自分がいた。

ミステリー要素も若干有り、『スロウハイツの神様』に登場していた人物も登場したりして非常に面白かった。

確かに文句なく面白く、中高生にオススメ出来る作品だ。
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