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木になった亜沙 [文学 日本 今村夏子]


木になった亜沙 (文春文庫)

木になった亜沙 (文春文庫)

  • 作者: 今村 夏子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/04/05
  • メディア: 文庫




1.木になった亜沙
2.的になった七未
3.ある夜の思い出

どれも現実と空想(ファンタジー)が入り混じった作品。前も書いたが、そう言う意味では小川洋子作品と似ている。

1は、自分が食べ物を誰かにあげようとすると誰にももらってもらえない(それが給食当番であっても)亜沙という女の子の話。段々といじめに発展し、最後は木になってしまいそこから作られた割り箸になってようやく人に自分のあげた食べ物を食べてもらえるようになる話。最後は暖かく終わるのかと思いきや大どんでん返し。

2は、小さい頃からものを自分に向かって投げられても何故か当たらない話。結構ハチャメチャなストーリーでそんなことはないだろうの連続。そのうち自分が逃げているから当たらないのだと思うようになり、今度は当ててもらおうと望むようになる。自分で自分にものを当てるようになり、精神的に病んだ人と思われ医者のところに連れて行かれその医者に・・・。
結構暗く痛ましい話なのだがどこかユーモラス。

3は、いつもゴロゴロ寝そべってばかりいる女の子の話で、ある日父親に説教され家を飛び出し、町をさまよい歩いているところをある男性に見つけられ家へと誘われそこで結婚の約束をする話。一度父親に了解を得なきゃ、と帰る途中で事故に遭い・・・。
これも何が現実で何が夢なのかよくわからない話。

正直どれももう一歩だった。次は芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』を読む予定。
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