氷の海のガレオン/オルタ [文学 日本 Modern]
国語の先生と話をしている時に、この作者を勧められ、一番面白そうだったので図書館で借りて読んでみた。
●氷の海のガレオン
小学校6年生の杉子を主人公とした物語。杉子は家に図書室があるような環境で育ち、母親も独立自尊でずっと周りに影響されずに生きてきた人。父親も自由業のような仕事をしており、ある意味周りから独立した存在として生きている。上には兄が二人いる。
三人の兄弟は精神的に成熟しており、さらに周りに影響されず、我が道を行く性格。そんな子どもを周りの同世代の子どもたちはなかなか受け入れられず、それぞれ孤立していく子どもたち。
そんな彼らのこころの葛藤を描いた作品。杉子に共感を示す、音楽の先生がとても良い感じだが、最後の結末が、えっ、そうなっちゃうの?という感じで少し残念。
●オルタ
自閉症、ADHD気味の女の子の物語。小学校に入学し、後ろにいる乱暴な男の子に嫌がらせを受けているところから物語は始まる。先生に話をしに行くが、先生は話を聞いてくれつつも、男の子を何とか守ろうと動く。先生は一生懸命で悪気がない。すべての子供に学習の機会を、という信念で動いている。結局親は学校に行かないという選択肢を選ぶ。
確かに何か、信念を持って生きる、メインストリームから外れた人の心の痛みをテーマにした作品。しかしあまりにストレートで結構読むのが痛い作品。
2023-11-10 10:38
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