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大地 上 [文学 フランス ゾラ]


大地 上 (岩波文庫 赤 545-0)

大地 上 (岩波文庫 赤 545-0)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2024/01/26
  • メディア: 文庫



昨年は、自分の中で集中的にフランス文学を読む年で、そんな中古本屋でこのゾラの『大地』を見つけ、とりあえず買っておいた。ゾラはそんなに好きな作家ではなく、あまりにも生々しい描写とストーリー展開が好きではないのだが、『居酒屋』と『ナナ』などの登場人物マッカール家に関係する本は結構読んできた。
『居酒屋』の登場人物ジェルヴェーズの子どもたち
クロード  『制作』
ジャック  『獣人』
エティエンヌ『ジェルミナール』
アンナ   『ナナ』

といった感じだ。今回読んだ『大地』の主人公ジャンは、ジェルヴェーズの兄弟。
大工的な仕事をしていたジャンは、戦争に行って帰ってきた後も大工仕事的なことをするが、大農場の手伝いをするうちに、農家的な仕事をするようになり、そのまま働いている。そんな中出会ったフランスワーズという若い女性とその姉、リーズ。リーズはフーアン家の次男ビュトーという男に孕まされ結婚の約束をするものの、それは果たされず、一人で子供を育てることに・・・。

そのフーアン家は父のミシェルが引退することになり、土地を二人の息子とひとりの娘で分割することに。しかしこれがまた大モメ。フランス革命、王政、共和制といった時代の大きな流れの中で生きる農民たちの生活を描いており、農民がどれほど貴族たちに苦しめられてきたか、ということが、本文の中で人々の語りや引用される本などを通して伝えられるのも楽しい。

ジイドの『贋金つくり』に続いて結構楽しい作品が続いていて良い。
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