あなたの人生の物語 [文学 アメリカ]
同僚の先生に勧められて読んだ本。
短編集だが、タイトルとなっている作品が映画化されている。作者は、SF作家と位置づけられているらしい。
1.バビロンの塔
旧約聖書、神に近づくために高い高い塔を建てようとした人間たちの傲慢さに神が怒り、塔を壊し、お互いコミュニケーションがはかれないよう言葉をバラバラにしたというストーリーを小説化したもの。
高い高いバビロンの塔を築いていく過程で確かにこういうことがあるよな、ということをうまく表現している。最後にオチも絶品。
2.理解
植物状態から薬の投与によって生還したが、それによって人並み以上の知力を得てしまった人間の話。若干『アルジャーノンに花束を』を彷彿とさせる。テーマは人は自分をどれほど客観視できるかということなのだろう。『ゲーデル、エッシャー、バッハ:あるいは不思議の環』や『法律事務所』も彷彿とさせる色々な要素の詰まった作品。
ここまでは結構楽しく読めた。しかし
3.ゼロで割るはつまらなかった。
4.あなたの人生の物語
これがタイトルとなっているもので、宇宙人がやってきてその宇宙人の言葉を解読しようとしているうちに、物事の全体像を感知できるようになってしまった女性の話。予定説などもテーマになっており面白くはあるが、わかりづらい構成で、いまいち。
このあと結構つまらない作品が続く。
8.顔の美醜について
これはまあまあ面白かった。ルッキズムに対する意義を唱えた思考実験的作品。
やはり私はSFは肌に合わないと感じた。
2024-03-14 05:56
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