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街の灯 [映画 チャップリン]


街の灯 (2枚組) [DVD]

街の灯 (2枚組) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: DVD



チャップリン「街の灯」である。
この辺からかなり長い作品へとなっていく。
浮浪者チャップリンは、街で出会った盲目の花売りに一目惚れする。
その一方で、大金持の男の命を助け、その男に良くしてもらうようになるが、その男がチャップリンに良くしてくれるのはお酒に酔っている時だけ。素面になるとチャップリンのことを認識しなくなる。

この物語はチャップリンの盲目の花売りへの「犠牲愛」という文脈で語られることが多い。
しかし、今回改めてはじめの部分が気になった。「平和と繁栄」の記念碑の開幕式からこの映画は始まるのだが、その記念碑に浮浪者チャップリンが寝ているのである。
ここでポイントは「平和と繁栄」である。大きな記念碑を建てるには莫大な費用がかかる。「平和と繁栄」の記念碑を建てた裏には、平和ではなく、貧乏な生活を強いられている者たちがたくさんいる。
そして命を助けられた大金持の男も素面になってしまえば助けられたことも忘れてしまうという有様だ。
まさしく「犠牲愛」の裏のストーリーとして、資本主義社会の行き過ぎた繁栄を揶揄している作品と言えるだろう。そう考えると、このあとに続く、「モダン・タイムズ」や「独裁者」への前奏曲的な作品とも言えるのではないだろうか。

「サーカス」のエンディングとは違い、「街の灯」はヒロインとこの後、愛が発展していく様相を見せながら終わる。これは本当に素晴らしいエンディングだと思う。

すごく気持ちの良い思いを残して見終わることができる映画ではないだろうか。

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