エミール 中 [哲学 ルソー]
『エミール(中)』を昨日読み終わった。この巻のテーマは二つ。
①宗教教育
②性教育
①宗教教育とはいえ、絶対的なもの、神的なもの、に関してどう考えるかということに関する論文に近い。世界中に様々な宗教があるが、これが正しいというものはなく、そうした存在を認識するようになることが大切というような話。
②性教育はあえて行う必要はないというもの。小さい頃、面白半分に性の知識を与えることで、変な方向に進んでしまうというもの。だからなるべく若いうちはそうしたものに触れさせないことが重要だということを説いている。
400ページにわたってこの2つのテーマを言葉を変えながら綴ったもの。若干飽きてくる。とはいえ、共感する部分がこの巻にもかなりあった。特に性的なものを変な形で子供に与えなければ、そうしたものに興味を持つことなく育つといったあたりはかなり同感である。とはいえ、現代社会では不可能だろう。
そして宗教観に関してもかなり共感できた。
いかに印象的な言葉を挙げたいと思う。
*人間は容易に考えるようになるものではないが、考えるようになると、その後は考えることをやめない。
→本当にその通りだと思う。しかし今の世の中考えない人間がどれほどいることか。
*宗教の儀式と宗教そのものとを混合しないようにしよう。神が求めている信仰は心の信仰だ。
→形にしかこだわらない宗教がなんと多いことか。
*あなたがたの神は私たちの神ではない。初めにただ一つだけの国民を選んで、そのほかの人類を追放するような神は、人類共通の神ではない。
→全世界の宗教信仰者に聞かせたい。
これらは我々教師が常に心に抱いていなければならないことなんじゃないかと思う。
2015-12-18 07:05
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