曙光 [哲学 ニーチェ]
ニーチェの『曙光』を2日前に読み終わった。というよりはページをめくり終わった。
この本の主題は、序文に全て書かれていると言って良い。つまり「善と悪に関してなされる考察」である。しかし今までになされたものは粗雑極まるものだったので、今までの道徳的な偏見を覆そうというものである。
言われていることは前著『人間的・あまりに人間的』とたいして変わらない。
第1章は痛烈な「キリスト教」批判。というよりも、キリスト教に盲目的に関わり考えることを放棄した者たちへの批判。前著よりもさらに批判の語調を強めている。
第2章はまさに「道徳」に関するもの。前著にもあったが、「利他的」とは突き詰めれば「利己的」になるということが繰り返される。
第3章は芸術などに関するもの。そして蓄群、つまり痛烈な大衆批判が展開される。そして後のナチス時代のドイツを予言するかのようなアフォリズムでこの章は終わる。
「道徳に対するドイツ人の態度-ドイツ人は偉大なことをする能力があるが、偉大なことをしそうにない。なぜなら、もしできる場合には、彼は服従するからである。」まさにヒトラーに服従して偉大なこと(悪い意味で)を成し遂げたドイツを予言していたといえるのではないだろうか。
この後、様々なアフォリズムが展開されるがあまり面白くはない。
正直、『人間的、あまりに人間的』を読めば読まなくてもいい書かなという感じはする。
2015-12-18 07:11
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