SSブログ

第4挿話 [文学 アイルランド Ulysses]


Ulysses (Wordsworth Classics)

Ulysses (Wordsworth Classics)

  • 出版社/メーカー: Wordsworth Editions
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: Kindle版



第二部
第4挿話
私が英文から読み取った、起こっているであろう出来事
〇Leopold Bloomが登場。
〇朝、朝食を作っている。レバーを焼いている。黒(?)猫がやってきてご飯をあげる。肉が足りないと思ったのか、肉を買い足しに外に出る。
〇Larry O’Rourkeのお店に到着。店主(?)と色々話をして、帰る。
〇家に帰ると手紙が二通とカードが一枚届いている。
〇Leopoldは妻Mollyのために朝食を作りお茶と一緒に持っていく。
〇Mollyがベッドで朝食を食べる。その時、Mollyが読んでいた本で分からない単語が有り、その意味をLeopoldに聞く。そこから話は死について、あの世について、に発展していく。
〇焦げた匂いに気がつき、Leopoldは一人キッチンに帰り、そこで一人で食べる。黒猫ふたたび登場。
〇娘から来ていた誕生日祝いのお礼の手紙を読む。娘は家を出て初めての誕生日だったらしい。
〇新聞を読みながら色々と思いを巡らす。

やはり思いを巡らす場面は、会話文や状況説明と違いわかりづらいが、そのほかの場面はある程度分かる。以下に面白かった箇所を挙げておきたい。

黒猫にご飯をあげる場面
p.48
They call them stupid. They understand what we say better than we understand them. She understands all she wants to. Vindictive too. Wonder what I look like her. Height of a tower?
They call them stupid. : 多分、Theyは人間。themは猫一般。
「人間は猫を愚かだと思っている。」
They understand~ : 多分、Theyは猫一般。weは人間。
 「猫は人間が猫を理解している以上に、我々がいうことを理解している。」
猫を下等とみなさず、猫の視点に立って、自分はどのように見えているのか、と考えるLeopoldの優しく面白い一面が現れているのではないだろうか。
 私もこの意見に賛成だ。動物や人間の赤ん坊、子供は、成人の大人よりも劣っていたり、理解力がないと考える人が多いが、それはあくまで成人の大人の視点であり、本当はどうだかわからない。ここまで読んだだけでも、アイルランドの国家闘争の問題、ユダヤ人問題、文学に関する言及、動物に対する視点など、いろいろ出てきて本当に深く面白い。

雲が太陽を隠す場面があるのだが、
p.53
A cloud began to cover the sun wholly slowly wholly.
この一文の後、一段落おそらくLeopoldの頭の中に浮かんできた様々なイメージの描写だと思うのだが、太陽が隠れたことにより彼の頭の中のイメージが負の方向(barren, bare waste, the dead sea, weedless…)へ動いていく様が非常に面白い。実際、自分もふと目にしたものから色々と考えを展開していくことがよくある。その様子を小説の中で描いてしまうあたりJoyceは素晴らしいと思う。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0