トロイラスとクレシダ [文学 イギリス Shakespeare]
シェイクスピア全集 (〔24〕) (白水Uブックス (24))
- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1983/01
- メディア: 新書
仕事の関係で、シェイクスピアの『トロイラスとクレシダ』を読むことになった。
この作品は昔、一度読み、BBCの映像も一度観ただけだったが、かなり面白いという印象があった。これを読んで観たために、トロイ戦争に興味を持ち、映画「トロイ」も買って観たし(あまり面白くなかったので結局売ってしまったが・・・)、ホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』も読むことになったのだ。
久しぶりの再読だったがやはり面白く、かなり惹きつけられ一気に読み終わった。
トロイラスとヘクターの清廉潔白さ、とギリシア(スパルタ)勢の裏のある感じの対比が見事で面白く、クレシダの言葉では貞節っぽいふりをしているが、行動は伴わない部分など、素晴らしかった。
クレシダの描き方は特に面白く、人の心のうつろいやすさを、深く考えさせられる。
最終的に、最も心の美しいヘクターだけが汚いやり方で殺され、残りの人間たちは生きたまま戦場に残され幕となるあたりも、観客に考える余地を与えてくれており、そうした意味でもとても深い作品だ。
2015-12-18 09:57
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