Man & Superman [文学 アイルランド]
George Bernard ShawのMan & Supermanを読み終わった。数年前、ミュージカル映画『マイ・フェア・レディ』の原作Pygmalionを読んでみたくて買った本で、当時ほかの作品は読んでいなかった。しかし、ほかの作品も面白いらしいということを目にし、良い機会だからと思い読んでみた。
父親を亡くしたばかりのAnnは父親の遺言により老紳士とTannerなる人物に後継人をお願いする。最終的にはこの後継人のTannerとAnnが結婚することになるのだが、それまでに様々な紆余曲折を経ながら結婚へとたどり着く。
全4幕の作品で、1幕、2幕はわりとわかりやすい。
しかし第3幕に入り、夢の世界へと話は飛び、舞台が地獄へと移る。ここで、ドン・ジュアン、悪魔、ドン・ジュアンに誘惑された娘を助けようと剣をもって彼に襲いかかってかえって殺されてしまった娘の父親も登場する。その時の娘Annは70歳ぐらいで死んでしまい、死後地獄へとやってきてドン・ジュアンと再開する。自分が地獄にいることを受け入れられないAnnはドン・ジュアン、悪魔、父親と哲学的議論を展開する。このドン・ジュアンに登場するAnnとMan&Supermanの主人公Annとが同一人物なのか、関係があるのかなど、よくわからない。
さらにこの第3幕は話が難しく、60%くらいしか理解できなかった。これは『ドン・ジュアン』とニーチェの超人思想を絡めた思想が展開されているらしく、非常に難しい。今までニーチェをずっと読んできたのでなんとなく言いたいことはわからなくはなかったが、やはり理解しきれない部分は多かった。
St.Joanもそうだったが、Shawは劇の中に夢を挿入するのが好きらしい。そしてこの夢の場面が非常にわかりづらい。そして一人ひとりのセリフが異様に長い。こんな長いセリフを役者は覚えられるのか、と思ってしまう。
それなりに面白く、興味深い作品ではあったが、自分の英語力の低さのせいで、本当のおもしろさの20%くらいしか味わえていないのではないかと思うと悔しい限りだ。
St.Joan, Pygmalionと並び、再読したい作品だ。
2015-12-18 09:59
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