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アンネの日記 [文学 ドイツ]


アンネの日記 (文春文庫)

アンネの日記 (文春文庫)

  • 作者: アンネ フランク
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 文庫


『アンネの日記』を2日前に読み終わった。
一人の少女が、隠れ家生活を通して精神的に成長していく様子が描かれている。特に1944年8月4日に捕まる前の数篇の日記は自分が捕まってしまうことを予期していたかのような崇高で感動的な言葉が綴られている。
 彼女の自由と平和を、そして女性の自立を求める言葉が書き記されている。以下心に残った言葉を引用しておきたいと思う。

p358 
 だれかがふさいだ気分でいるとき、おかあさんはこう助言します。「世界中のあらゆる不幸のことを思い、自分でそれとは無縁でいられれことに感謝なさい」って。
 それにひきかえ、わたしの助言はこうです。「外へ出るのよ。野原へ出て、自然と、日光の恵みとを楽しむのよ。自分自身の中にある幸福を、もう一度つかまえるように努めるのよ。あなたのなかと、あなたの周囲とにまだ残っている、あらゆる美しいもののことを考えるのよ。そうすればしあわせになれるわ!」

p479
 戦争の責任は、偉い人たちや政治家、資本家だけにあるのではありません。そうなんです、責任は名もない一般の人たちにもあるのです。そうでなかったら、世界中の人々はとうに立ち上がって、革命を起こしていたでしょうから。もともと人間には破壊本能が、殺戮の本能があります。~中略~ですから、全人類が一人の例外もなく心を入れかえるまでは、けっして戦争の絶えることはなく、それまでに築かれ、つちかわれ、はぐくまれてきたものは、ことごとく打ち倒され、傷つけられ、破壊されて、すべては一から新規巻き直しに始めなくっちゃならないでしょう。

p519
 いまや世の中の秩序は逆転してしまいました。もっとも尊敬されるべき人たちが、強制収容所や監獄、寂しい独房にほうりこまれ、残った人間のくずどもが、老若、貧富を問わず、国民全体を支配しています。

p543
 このところ、一つの疑問が一度ならず頭をもたげてき、けっして心に安らぎを与えてくれません。その疑問とは、どうしてこれほど多くの民族が過去において、そしてしばしば現在もなお、女性を男性より劣ったものとして扱ってきたのかということです。だれしもこれがいかに不当であるかを認めることでしょう。でも私には、それだけでは十分じゃありません。それと同時に、こういうおおいなる不法のまかりとおってきた、その根拠を知りたいんです。


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