ヴォイツェック [文学 ドイツ]
若くして亡くなったドイツの作家ビューヒナーの書いた作品集を読んだ。短編小説レンツ、戯曲ヴォイツェク、ダントンの死の全3作品が収められている。
『レンツ』はレンツという精神に若干異常を来たした作家が、牧師の家に引き取られたときの様子を描いた作品。レンツは精神に異常をきたしているので、自殺を試みたり、意味のわからないことを言ったり、とフランスの自然文学とはまた違った意味で読んでいて辛い作品。
『ヴォイツェク』はアルバン・ベルクによってオペラ化された作品。実はこの作品が読みたくてこの本を買った。オペラのDVDも買って少し見たのだが、あまり集中して見られなかった+無調音楽なので、内容がいまいちよくわからなかった。
この戯曲を読み、ある程度筋はわかったが、そんなに楽しいものでもない。シェークスピアにかなり影響を受けていることは読み取れた。
フランス革命を描いた『ダントンの死』が一番面白かった。民衆に人気のダントンが、最終的には民衆の手によってギロチンにかけられる様子が、様々な人物の心の動きを追いながら描かれている。
とはいえ、全体を通してそこまで楽しめなかった。日本でそこまで有名にならないのもわかる気がした。
2016-07-21 10:31
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