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戦争と平和 1 [文学 ロシア]


戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)

  • 作者: トルストイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 文庫



1月8日からトルストイ作『戦争と平和』を読み始めた。
そしてようやく1巻が読み終わった。
1巻だけでも700ページ近くある大作だ。1月中に全4冊読み終わると思っていたが、全く無理そうだ。
初めて読んだのは大学1年生の春。なのでもう15年も前だ。内容は95%覚えていなかった。
なので再読とはいえ、かなり新鮮な気持ちで読み始めることができた。

出だしはいきなり貴族の家での会話から始まり、晩餐会へと移っていく。こうしたサロンでの会話がつまらなくてこの『戦争と平和』を読み切ることができない人が多いようだが、こうした会話の方がかえって、戦争・戦闘を描写した場面よりも楽しく読める。本当の戦闘に参加したことのない私としては、戦争中の戦場での様子を細かく描写されても正直頭の中でイメージを持つことができない。HobbitやNarnia、『坂の上の雲』なども戦闘シーンはことごとく分からず、読んでいてかなり苦痛であった。
とはいえ、トルストイのこの作品はどう戦うかといった戦略的なところはほとんどなく、戦場での人間たちの心理模様が描かれているので楽しんで読めた。670ページも飽きることなく読み切ることができた。

が、覚悟はしていたが、やはり人間関係がわからなくなってくる。かなり頭の中で整理しながら読み進めるのだが、場面が変わり登場人物が変わったり、次の日になったり、日曜を挟んで2日ぶりに読んだりすると頭の中から抜けていたりする。それでもなんとか主要人物は押さえているのではないかと自分では思っている。

そしてすごいと思うのはこれだけの登場人物を出せば、どうしても悪役みたいな人物が出てきても良さそうなものだが、それぞれがそれぞれの性格を持っていてそれが人間だ、という感じで描かれていて、どの人物も良い面悪い面がバランスよく描かれている。金のために結婚する人間、ツテだけを頼りに軍隊内で出世していく人間などは、普通は小説などでは悪役のような形で描かれることが多いが、『戦争と平和』においては全くそんなことがない。本当にトルストイの人物描写は素晴らしいと実感した。

まだ4分の1である。これからが楽しみだ。

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