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戦争と平和 3 [文学 ロシア]


戦争と平和 (3) (新潮文庫)

戦争と平和 (3) (新潮文庫)

  • 作者: トルストイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 文庫



一昨日、『戦争と平和』第3巻を読み終わった。ここ数日とても仕事が忙しく、ブログ更新の時間もなかった。今日は久しぶりの休み。

むかしこの本を読んだとき、作者トルストイの歴史観、戦争観が物語のあいだに挟まる形でちょくちょく出てきてちょっと読みづらいなあの感じていたのだが、今回の再読で1,2巻にこうしたものが出てこないので、自分の記憶違いだったか、と思っていたが、三巻でついに来た。

3巻の冒頭からトルストイの歴史観が滔々と語られる。簡単に言えば「歴史的出来事は様々な要因が入り混じって起こることであり、簡単な因果関係で説明できるものではない。」「戦争は首脳部の意思で始まるのではなく、民衆一人ひとりの意思で始まるのだ」というものだ。

私はこの意見に完全に同意する。が、少し説明が長い。さらにこの巻は戦争の場面が多く出てくるので、私
にとっては少しつまらない巻だった。戦争によるモスクワの混乱の中でナターシャを中心とした人間たちの行動、心の動きを中心に描いている。

前にも書いたが私は戦闘場面を描いた文章が得意ではない。情景が思い浮かべられないからだ。ナターシャの兄のニコライとアンドレイ公爵の妹マリアの運命的出会い、傷ついたアンドレイ公爵とナターシャの再開など劇的場面も多いのだが、トルストイの歴史観と戦闘場面の描写が多いため物語に入り込みづらい。こうしたものも物語には欠かせないのだろうが、もう少し「平和」側にいる人間たちの呑気な心情描写を1~2巻どうよう描いてもらえるともっと良かった気がするのだが・・・。


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