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Gone with the Wind Part Two [文学 アメリカ]


Gone with the Wind

Gone with the Wind

  • 作者: Margaret Mitchell
  • 出版社/メーカー: Pan Books
  • 発売日: 2014/02/13
  • メディア: ペーパーバック



ScarlettがAshleyへのあてつけで結婚した、Charlieが戦争に行き、病気にかかって死んでしまい、未亡人となったScarlettがCharlieの実家Atlantaに行き、生活する模様がこのPart Twoには描かれている。

ホーソンの『緋文字』などからも分かるように、ピューリタンが移住して建設した国だけあり、植民当時は結構、恋愛・性に関して社会として厳格だったことがわかる。そんな中で、自分の強い恋愛感情を心に秘め、相手が結婚しても、さらにそれのあてつけとして他の男性と結婚してしまうScarlettの姿に若干感動してしまう。このScarlettと全く対照的な女性として描かれるMelanieもとても魅力的で、まさにクリスチャンの婦人といった感じだ。

若干理解できない点が一つ。Charlieとの間の子どもWadeをScarlettは産み、この子をAtlantaに一緒に連れてくるのだが、この子どもは存在しないかのようにひたすら話しが進む。こんな小さな手のかかる子どもがいるのに、何でこんなに自由に過ごせるの?と思ってしまう。

この『風と共に去りぬ』単なる、メロドラマかと思っていたが、戦争に対する結構厳しい目が向けられている。
戦争が始まるときの人々の熱狂。
実際、戦争が始まり、自分の身近な人が亡くなって初めて気づく戦争の悲惨さ。
戦況が悪くなってきたとき、それを指摘する人への冷たい視線。
戦争などやらないほうがいい、と人前ではっきりいえない雰囲気を作り出す共同体。
日本が第二次世界大戦で経験したことが、まさにこの物語でも描かれている。

何故、人は戦争に向かうのだろうか。戦争というのは自分も含め人が死ぬということは十分想定できるはずなのに、何故あれほど熱狂してしまうのか。そして何故真実を述べる人間に対して共同体は村八分のような状態に追い込むのか。そうした根源的な問を突きつけている小説だ。

戦時中、AshleyがMelanieに送った手紙(それをScarlettがこっそり読むのだが・・・)そこに、作者Margaret Mitchellが伝えたかったことのすべてが述べられているのではないだろうか。
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