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ふしぎ古書店① 福の神はじめました [文学 日本 にかいどう青]


ふしぎ古書店1 福の神はじめました (講談社青い鳥文庫)

ふしぎ古書店1 福の神はじめました (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/02/11
  • メディア: 文庫



この前読んだ『すみっこ★読書クラブ』の作者「にかいどう青」さんが書いた作品。全7巻らしい。
「本」がテーマになっている作品に惹かれてしまう傾向がある私は、この本も思わず手にとってしまった。『すみっこ~』もそうだったが、この『ふしぎ古書店』も古本屋をメインの舞台に据えている割にはあまり文学作品が登場しなかった。

「周りから見ると明るく何気なく振舞っている人たちの、深層にある心の傷を癒す」というのがテーマになっているのだと思う。特別な人間にしか見えないと言われている古本屋「福神堂」を見つけ、そこで福の神の弟子にさせられてしまった主人公「東堂ひびき」。彼女のあまりにも繊細で、何とか傷つかないようなるべく周りと関係を取らないよう頑張っている姿が読んでいて若干痛々しい。彼女とは対照的に明るく振舞っているのだが、心の中のつらい想いを必死で隠そうとしている、主人公の親友になる秋山絵理乃もかなり痛々しい。しかしどちらもとても良い子で、心優しい子供達で、とても温かい気持ちにさせられる。

東堂ひびき、が夢を食べてしまうバクによって、「だれも傷つかない、だれも傷つけられない」世界へと誘われてしまう。その彼女を必死で現実の世界に連れ戻そうとする人々。

この
①生きている限り必ずだれかを傷つけ、だれかに傷つけられてしまう現実の世界
②だれも傷つかない、だれも傷つけられない夢の世界
でどちらにいようか迷う東堂ひびき。

これは、自分の言葉や行動が誰かを傷つけているのではないかと、常に心配して生きている繊細な心の持ち主ではないと理解できない葛藤だろう。

鈍感な人というのはある意味羨ましい。

この東堂ひびきという女の子も間違いなくHSPなのだろう。

すごく心に残る作品かというと、そうでもないが、それなりに読んでいておもしろかった。
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