偽りの告白 [文学 フランス]
久しぶりにマリヴォーの戯曲を読んだ。岩波文庫からも出版されている『偽りの告白』だ。この作品とボーマルシェのフィガロ三部作が読みたくてこの本を買ったようなものなので、かなり楽しみにしていた。
自分の好きな女性を射落とすために、自分の従者をその女性の館に仕えさせ、うまく話しをすすめ、結婚に持ち込む話。嘘と本当の情報を相手にうまく与えながら、最終的に愛するようにさせていく手法はとてもうまい。ボーマルシェに出てくるフィガロ的な役割を、この従者のデュボワが演じている。
面白くなくはないのだが、前に読んだ『恋の不意打ち』『愛と偶然の戯れ』が非常に面白く、この発言の真意はここにあるんだろうなあ、とかがある程度分かるセリフが多かったのだが、正直この『偽りの
告白』は、それぞれの発言・行動の真意がつかみづらく、最終的な目指すべき方向は何となくわかるのだが、このフリが何故そこにつながっていくのというのが非常に見えづらい箇所が多く、ずっとモヤモヤしたまま読ませれている気がした。
ほか作品が面白く、期待が高かっただけに、若干残念な作品だった。
2021-01-29 12:54
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