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ピアノ・ソナタ第二十二番 ヘ長調 [ベートーヴェン ピアノ・ソナタ]

評価
★★★★★★★★☆☆

ワルトシュタイン、熱情という大作に挟まれ評価の低い作品。ロベルト・シューマンはかなり高く評価していたらしい。私も今回、じっくりベートーヴェンの全作品を聴いてみようと思うまでは全く評価していなかったというか、何度も聴いても全く心に残らない曲だった。しかし今回じっくり聴いてみてかなりの名曲だと思った。

第一楽章 非常に簡素な、平凡な主題で始まる。この平凡さはひたすら続くのではあるが、その平凡さの中にベートーヴェンのやさしさ、内面の苦しみ、善なるものを求める精神性の高さが垣間見える。全体像を非常につかみづらい曲なのだが、それがまたこの曲を何度も聴いてみようとさせる。何とも言えない魅力を持った楽章である。

第二楽章 まさしくバッハの世界。深淵なる宇宙、神の世界を彷彿とさせる、どんな人も物も受け入れてしまうような深さと広がりを持つ、すさまじい曲。

確かに一般的に受け入れられる曲ではないが、シューマンが高く評価したのが分かる、非常に幻想的で深みのある曲である。ベートーヴェンの名曲を若干聴き飽きてしまった人はぜひ聴いてみてもらいたい。どんどんと惹きこまれて行ってしまう普通とは違う名曲である。
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