SSブログ

11のバガテル Op.119 [ベートーヴェン 鍵盤楽曲]

評価
★★★★★★★☆☆☆

ベートーヴェンの甥カールにピアノを教えていた、フリードリヒ・シュタルケがピアノを教える時のために作られた曲らしいが、前半と後半では作曲時期が大きく異なっているらしい。

第1曲 とても優しいメロディ。中間部の若干暗い哀愁漂う感じの部分もとても良い。最初のメロディが若干変化した形で回帰して終わる。

第2曲 森の中の小鳥や小動物達のさえずりや語りを音楽にしたような可愛らしい音楽。右手と左手が対話を続けながら音楽が進む。

第3曲 非常に美しい前奏があり、堂々とした音楽が展開する。

第4曲 カンタービレと名付けられているのにふさわしい、歌うような感動的な音楽が流れる。これは実は相当な名曲だと思う。

第5曲 一転して暗い感じの若干激しい曲調の音楽。途中劇的な感じになるのが良い。この曲集では珍しい少し激しい曲。

第6曲 ただ曲と曲をつなぐ感じの曲。

第7曲 対位法的な手法を用いた曲。

第8曲 高音のトリルで始まる。左手がメロディを奏で、トリルが終わり、右手がメロディを引き受ける。その後、対位法的な曲が展開される。後半盛り上がりを見せて終わる。

第9曲 曲調が一転して、穏やかな安らぎに満ちた曲。

第10曲 劇的な躍動感のある曲。

第11曲 練習曲風な曲調で始まり、最後はこの曲集を閉じるために設けられたかのような美しい天国的なメロディが流れて終わる。

前半は、メロディを美しく奏でるため、後半はテクニックを身につけるための練習曲といった感じの趣の曲が並ぶ。全体的に短いがどれも魅力あふれる作品となっている。あまり注目されないが実は結構良い曲集な気がする。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。