エッセイ 出会い [文学 日本 松谷みよ子 エッセイ]
『松谷みよ子の本』第10巻は、エッセイ集。第一部は彼女の人生に影響を与えた様々な人物について語ったもの。
「母のこと」から始まり父親に関するエッセイに移っていく。母親は戦前の人としては珍しく、かなり自由な人だったようで、次のような言葉をよく松谷みよ子に言い聞かせていたらしい。
p.23
「家の仕事は嫁に行けば自然にできる。女は一生台所に立たねばならん。そやからいまのうちに本を読みなさい。本を読まんとばかになる。」
学校で実学をひたすら教えようとしている今の日本の教育を動かしている人々に聞かせてやりたい言葉だ。
父親も素晴らしい人だったようで、弁護士として、苦しんでいる人を助けたり、国と争ったりしていた人らしい。こうした両親に育てられたからこそ、あの素晴らしくメッセージ色のある物語が書けたのであろう。
他にも師匠の、児童文学者坪田譲治との思い出、壺井栄ほか様々な人との思い出が語られている。
自分の大好きな作家のエッセイを読むのは結構面白い。特に、人の心を打つような作品を書く作家のエッセイは。
このあとも、制作秘話、愛読書の話などもあるようで楽しみだ。
2022-01-31 14:00
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