赤いばらの橋 [文学 日本 安房直子 あ行]
崖の北側に住む男の子の子鬼。ある日南風に乗って良い匂いのフェルトの帽子が舞ってくる。角のない可愛い女の子の持ち物に違いないと思い、近くに住む女の子の子鬼に、三つ編みの仕方を教えてもらい、三つ編みにした蔦(つた)で橋を作り、南側へ行く。
南側は魔女の住む場所。魔女には灰色のボサボサの髪をした娘がいる。娘に会った子鬼は、手にしている帽子はその魔女の娘のもので、こんなに可愛い帽子が、こんなに可愛いくない魔女の娘のものだったなんてとがっかりする。
しかし色々と話したり、母親である魔女から自分を助けてくれたりするうちに、この魔女の娘がだんだん可愛く見えてきて好きになっていく。
最終的には魔女に見つかり捕まりそうになるが、娘の機転によりなんとか助かる。刺がたくさんあるバラの枝がからまった橋を、娘からもらった、帽子とおそろいのフェルトの靴で何とか渡りきった子鬼。最後はお母さんに抱きしめられ、魔女の娘はいつまでも手を振ってくれている場面で終わる。
「恋をする」というのはどういうものなのか、見た目ではなく心が大事なんだ、ということを恐ろしくも暖かいストーリーで教えてくれるこの作品。是非多くの人が小さいうちに読んでもらいたい。
2022-07-20 11:01
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