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カイロ団長 [文学 日本 宮沢賢治 か行]


新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

  • 作者: 賢治, 宮沢
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/06/19
  • メディア: 文庫



30匹のあまがえるが、いろいろな動物の役に立つ仕事を一生懸命して暮らしていた。
そんなある日、仕事を終えて家に帰る途中、「舶来ウェスキイ」が飲める店に入る。一杯飲むとあまりに美味しさにどんどん飲んでしまい、酔っ払って寝てしまう。

次の朝、店主のとのさまがえるに一匹ずつ起こされ、酒代が払えないということで、みなけらいにされてしまう。

いろいろ無茶な命令をされ、いよいよ諦め「警察にいく」と言っていたところ、王さまから新しい命令が下される。

「人に物を言いつけるときは、その仕事を一ぺん自分で二日間やってみる」という命令だった。
そこで、とのさまがえるは自分でいった命令を自分でやることになり、しまいには足がくにゃりと曲がってしまう。あまがえるたちはどっと笑い出すが、どういうわけかそれから急にしいんとなってしまう。

この時の宮沢賢治の言葉が素晴らしすぎる。
p.56
「みなさんはおわかりですか。ドッと一緒に人をあざけり笑ってそれから俄かにしいんとなった時のこのさびしいことです。」

その後新しい命令が出る。

「すべてあらゆるいきものはみんな気のいい、かあいそうなものである。けっして憎んではならん。」

こうしてあまがえるもとのさまがえるも元通り楽しく暮らすことに。

結構心に響く言葉もあり、良い話。
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