海からのおくりもの [文学 日本 安房直子 あ行]
海の町に住むかなこは、おかあさんと二人暮らし。そんなおかあさんも病気がちなためとても貧乏な暮らしをしている。
夏が終わって海水浴のお客がみんな帰ったあと、その町ではお祭りが行われる。その日、お母さんは五十円玉を二つお小遣いとしてくれた。かなこは、五十円は自分のおみやげ、五十円はお母さんへのおみやげと決めてお祭りへと向かう。
50円で変えるものはあまりなく、どうしようかと迷いながら商店の中を歩いていると、海の色とそっくりの青いネッカチーフをかぶったおばあさんが貝殻を売っている。迷った末に、50円でひと袋買う。その袋をポケットに入れて歩いていると、貝殻が歌いだし海へ行くよう促す。
海へ言ってみると、青いネッカチーフをかぶったおばあさんたちが、貝殻を使っておはじき遊びをしている。自分の買った貝殻でそのおはじき遊びに参加するかなこ。しかし全く勝てず、すべてを失ってしまう。
もういっかい遊びに参加しようと、もうひと袋買いに行くが、もうすでにおばあさんの店はなくなっている。となりの店のおじさんに聞くと、「そりゃ、海ばあさんだ」「祭りの晩によくやってきて、妙なものを売って、子供のこづかいをまきあげるのさ」と言われる。
走って浜にたどり着くと、あばあさんたちがおはじき遊びをしていた場所に、貝殻が残されている。拾い上げてみると、細い糸でつながれて、二本のすばらしい首飾りになっていた。
彼女はそれを持って家に帰り、お母さんと自分へのお土産とする。
初めは心が痛む話なのかと思ったが、最後はハッピーエンドで終わりとても心が暖かくなった。
けっこう印象的な素敵なお話。
2022-08-18 17:37
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