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君たちは今が世界(すべて) [文学 日本 Modern]


君たちは今が世界 (角川文庫)

君たちは今が世界 (角川文庫)

  • 作者: 朝比奈 あすか
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/07/16
  • メディア: Kindle版



中学入試の問題で多く取り上げられている作品らしい。
教育を扱っている作品ということもあり、図書館で借りて読んでみた。

小学校6年生、学級崩壊気味のクラスを様々な子供の視点から追った物語。
いじめではないが、いじめ一歩手前のような、気持ちが弱く、色々な能力が低い子どもにいろいろ悪いことをやらせるストーリーから始まる。

「人間タワー」もそうだったのだが、人間一人ひとりが持つ、内面の弱さ、大変なことが起こっている(起ころうとしている)のに、それを見てみないふりをして時がすぎていくのをひたすら待とうとする子どもたちの心の様子がとても丹念に描かれている。

結構家庭事情が大変な子どもが多く取り上げられており、読んでいて結構きつくなってしまうようなものも多い。しかし、最後の章で、そのクラスにいた引っ込み思案の子供が大人になり教員となり、子どもたちに語りかけるところが希望に満ちており結構読後感は良い。文庫版に収められた、クラスで唯一正義感を持っていろいろなことに立ち向かっていく、貧しい少女の話も勇気を与えてくれる。

色々と考えさせられる良著だった。
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