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つるかめ助産院 [文学 日本 小川糸]


つるかめ助産院 (集英社文庫)

つるかめ助産院 (集英社文庫)

  • 作者: 小川糸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/11/15
  • メディア: Kindle版



小川糸さんの作品に少し興味を抱き、図書館でいろいろ借りてきた。
デビュー作『食堂かたつむり』から読み始めたのだが、色々な関係により、この『つるかめ助産院』と並行して読むことになり、この作品の方が先に読み終わってしまった。

物語は、まりあという女性が、仕事から家に帰ると、夫が携帯電話を置いて失踪してしまった場面から始まる。いくら待てども帰ってこず、とりあえず昔二人で行った思い出の地、ハート型をした島へ彼を探しに行く。

そこではじめて声をかけられた人が実は助産師で、彼女に妊娠している、と告げられる。あれこれあり、彼女はこの島に残り、この助産師がやっている「つるかめ助産院」で働きながら出産することを決める。

自然と共に生活し、この助産院で働く人々や島の人々との交流を通じて、自分のあまり幸せではなかった過去とも向き合い、色々な人が実は色々な悩みを抱えながら生きていることを知り、人に触れられたり触れたりすることを恐れて生きてきたが、自分から相手に触れることで、心も落ち着いていくことを知り、最後は幸せな出産をする、という話。

調理に関する描写が非常に細かく、さらに心が解放されていく様子もとても細やかに描かれておりよかった。

しかし、女性の苦悩は結構細やかに描かれているのだが、サミーという男性の苦悩がまったく描写されておらず、最後もなんとなくかわいそうな感じで終わってしまうのが残念だった。
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