鳥 [文学 日本 安房直子 た行]
ある町に腕の良い耳のお医者さんがいた。
ある日、大体診療が終わりゆっくりしていたところ、少女が駆け込んできて、耳にものが入ったから取り出してくれと頼まれる。何が入ったのか聞いたところ少女は「ひみつ」と答える。
少女はボート小屋で働いていた。ある日時間が過ぎても帰ってこないボートがあり、ずっと待っていると若い男の子がボートに乗って帰ってくる。色々と話すうちに二人は仲良くなる。
そのうち、ボートに乗って二人で遠くへ行ってしまおうという話になるが、少年の母親が許そうとしない。しかしその母親は実は本当の母親ではなく魔女だった。ある日魔女の家にやってきたカモメがあまり綺麗だったので家で飼うことに。しかしメスのカモメがしつこく捕まっているオスのかカモメを救い出そうと外で鳴き続ける。うるさく思った魔女は赤い実を飲ませオスのカモメを人間にしてしまう。その実をメスのカモメもついばむ。
魔女は、自分がカモメを人間にした話をし、また人間の女の子に取られてしまうくらいならカモメに戻してしまおうとしている、と女の子に告げる。今日中に伝えられた秘密を耳の中から取り出さない限り、男の子は人間に戻れない、と告げられ、急いで女の子はこの耳の医者のところにやってきたのだという。
お医者さんはいろいろ試すがうまくいかない。がっかりして帰っていく女の子。しかしお医者さんはこの女の子が実はあのメスのかもめだったことに気がつきそのことを女の子に伝えに必死で走って追いかける。
結構恐ろしい話なのだが、女の子の一途な想いが心をうつ。
2023-09-01 04:41
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